特別展『日韓近代美術家のまなざし』
北海道立近代美術館で9月1日に始まった特別展『日韓近代美術家のまなざし』は、10月12日(火曜・祝日)までの開催です。
会場には20世紀前半、日本統治下の朝鮮半島で日本から訪れた美術家たちと現地の美術家たちによるたくさんの作品が展示されており、激動の時代に彼の地で描かれたり作られたりした作品からは日本人と朝鮮の人々双方に、それぞれの歴史文化を背景に背負ったリアルな真摯さがうかがい知ることができ迫力のある展覧会となっております。
会場の奥、最後の部屋には、「佐藤九二男と京城第二高等普通学校生たち」といういうコーナーがあります。
佐藤九二男は札幌の北海中学(現・北海高等学校)に学び美術部・団栗(どんぐり)会の結成メンバーです。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、1927年に「朝鮮」に渡り京城第二高等普通学校の教員として、戦後における彼の地の芸術界をリードすることになる多くの俊秀を育て画家としても活躍しました。その教えはピカソやマティスらの近代造形から「朝鮮」の伝統工芸の美まで、幅広い見識に基づくもので教え子たちからも敬愛を集めました。佐藤九二男は1945年終戦の混乱のさなか現地で消息を絶ちますが、その後、教え子たちは1962年に佐藤の名にちなんだグループ展「2.9会展」を開催しており彼への追慕がうかがわれます。是非、この機会にご覧になってください。
コーナーには佐藤九二男の自画像と幅広い見識を持って自由に描くことを教えられたことがうかがわれる教え子たちの作品が展示されております
10/10(土)14:00~からは学芸員の方によるギャラリーツアーも開催されます。
10/10(土)、10/11(日)、10/12(月・祝)には2階ロビーにて韓国カフェがオープン。時間は10:30~17:00 (ラストオーダー16:50)韓国茶400円です